相取工法は、急傾斜地、地すべり対策工事を安全かつ省力化するために開発した工法です。 急傾斜地での作業は、資機材の荷揚げ、荷降ろしが大変困難な作業となります。近年の設計では斜路 (単管) ・ ウインチで計上されている場合が多く、設備にも施工にも大幅に時間がかかります。施工効率を図るために大型移動式クレーン車や索道式ケーブルクレーン等を検討しますが、費用膨大の問題や、大型移動式クレーン車に於いては搬入路、設置スペースの確保、作業半径 (高さ) の限界等、様々な問題が生じます。 相取工法は、これらの様々な諸問題を解消する画期的な工法です。 |
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相取工法は、最大傾斜角35°の傾斜地でも設置可能な2.9t吊ジブクレーンと、1~2台の定置式クレーンを組合わせて足場組立を行いながら、斜面上方へと互いのクレーンの持ち上げを繰り返すことによって、施工範囲を際限なく広げることができます。 ジブクレーンは組立・分解式であるため、急傾斜地工事特有の狭小な搬入路しかない場所でも、4tトラック車の通行が可能であれば搬入することができ、定置式クレーンはH形鋼(H100)で堅固に組み立てられた足場に固定し、場所を選ばず小スペースでも安全にクレーン作業を行うことができます。 上記のことから、相取工法は急傾斜地では従来困難であった資機材の荷揚げ、横持作業が省力化され、工期の短縮と共により安全な作業を行うことができる画期的な工法です。 また、相取工法により当社が施工した工事現場は、高度技術・創意工夫の観点から各自治体発注者より高い評価を得ています。 |
point1ジブクレーンHS-36 が急傾斜地で威力を発揮 |
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ジブクレーンは急傾斜地での資材の横持ち作業、機器搬入・撤去など広範囲の荷役作業に威力を発揮します。いわゆる相取工法の主役といえます。
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ジブクレーン HS36の組立過程 |
ジブクレーン組立状況 |
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ジブクレーン HS-36 ( 最大作半径 R=27.0m 最大吊上荷重 2.9t ) |
point2ジブクレーンと定置式クレーンの組み合わせで急傾斜地の高所に到達 |
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ジブクレーン複数台、または定置式クレーンと組み合わせることで、より上部の急傾斜地に到達し、工事を安全かつ容易に施工します。一方のクレーンで他方のクレーンを真上の足場に持ち上げ設置します。その設置されたクレーンで真下にあるクレーンを持ち上げ、さらに上段の足場に移動させます。同様にH形鋼足場材もこのように運搬し組み立てていきます。これを繰り返すことで資材・機材をより高所へと移動していくことが可能です。
また、定置式クレーンも容易に分解でき、3分割にすることもできます。 |
定置式クレーン ( 最大作業半径 R=13.2m 最大吊上荷重 2.9t ) |
相取を繰り返しボーリングやぐらを設置 |
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point3H100形鋼による仮設足場 |
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ボーリングマシン 掘削状況 |
通常の急傾斜工事では、単管パイプによって仮設足場を組み立てますが、当社では作業足場の強度を上げる為に、H形鋼(100×100)によって堅固な足場を作成し、上載荷重を大きくすることを可能にしました。それによって、大口径ボーリング機材の能力をランクアップすることができ、作業効率を向上することができます。 また、堅固な造りのため、横ぶれなどが非常に少なく、大口径ボーリングの施工精度にも十分満足できます。 H形鋼建て込み状況 |
施工の流れ |
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相取工法 ジブクレーン3台+定置式クレーン |