相取工法

土砂災害警戒区域と急傾斜地

自然災害が多発する昨今、国土交通省によると令和4年に全国で発生した土砂災害(土石流・地すべり・がけ崩れ)は795件に上り、直近10年間の平均を上回りました。このうち約7割は8月~9月に発生となっています。原因は集中豪雨や台風、地震によるもので、日本の国土は山が多く、平地が狭い特徴も要因のひとつです。地球温暖化による気候変動で自然災害発生のリスクは、ますます高まることは間違いないでしょう。

こうした中、土砂災害防止法が平成13年に施行されました。土砂災害から国民の生命を守るため、発生の恐れがある区域を明らかにし危険の周知、警戒避難体制の整備などを推進しようという法律です。具体的には基礎調査の基盤図にもとづき地形、地質などの現地調査を行い「土砂災害警戒区域(土砂災害のおそれのある区域)」と「土砂災害特別警戒区域(警戒区域のうち特に危険な区域)」に指定されます。


北海道の指定状況によると土砂災害警戒区域は全道で11,731カ所あり、そのうち土砂災害特別警戒区域が8,021カ所指定されています。札幌市だけでも同997カ所、同791カ所を数えます。北海道ではこれまで順次対策工事を実施してきましたが、この件数だけを見ても膨大な時間と費用が必要なことが見えてきます。


急傾斜地とは、傾斜が30°以上で高さが5メートル以上の「がけ」になります。そして崩れた場合の被害想定区域に人家が5戸以上あること。または官公庁・学校・病院・駅・旅館等があることとなっています。つまり、もしも豪雨などで崩壊した場合には人命に関わる危険な場所となります。人家などが崖の下にある場合も、崖の上にあることもあります。


急傾斜地崩壊対策事業 - 北海道建設部土木局河川砂防課 (hokkaido.lg.jp)

土砂災害

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